同性婚を認めない制度を初めて本格検討した5地裁の判決は、「違憲」が2件、「違憲状態」が2件で、「合憲」は1件にとどまり、権利侵害に強い警告を発した。
「判決の結論は分かれたが、(いずれも)『放置はできない』と言ったと感じる。今回の判決も、そのメッセージを後押しするものだ」。九州訴訟の弁護団の石井謙一弁護士は8日、判決後の会見で5判決を総括した。
5地裁の基本的な問題意識は通底していた。
共通の前提は「社会情勢の変化」。同性婚を認める世界の潮流、パートナーシップ制度を導入する地方自治体の増加、同性婚の賛成派が反対派を上回るようになった国民の理解増進などに着目した。
それでも「伝統的な家族観」に根ざし、異性婚しか認めない制度に今も合理性はあるのか――。
法律婚制度は、男女が子を産み育て、家族として次世代につなぐ関係の保護を目的としてきた。ただ、結婚すれば、子の有無に関わらず様々な法的地位が与えられ、2人の関係が社会的に「公証」もされる。同性カップルがその効果や利益を一切得られない現状は問題がある、という認識はほぼ一致していた。
判決分けたポイント 札幌地裁は法の下の平等を定めた憲法14条に反すると判断
その上で判決を分けたポイン…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル